雪による災害というと、一番先に頭に浮かぶのが『雪崩』かもしれませんが、その中の一つに『ホワイトアウト現象』と呼ばれるものがあります。
今回は、『ホワイトアウト現象』とは？『ホワイトアウト現象』に遭遇してしまった時の対処などについてまとめてみました。
ホワイトアウト現象とは？
『ホワイトアウト（whiteout）現象』とは、雪や雲などによって視界が白一色となり、方向・高度・地形の起伏が識別不能となる現象を言います。
『ホワイトアウト現象』が起こると、周りに何があるのか、どの方向を向いているのか、地形の起伏がどうなっているのか、などを識別することができなくなります。
『ホワイトアウト現象』の状態に陥ると、
・錯覚を起こしてしまい、上の画像のように、雪原と雲が一続きに見え、天地の識別が困難になります。
・太陽光が遮られ、太陽がどこにあるのか判別できなくなり、足元の風紋（ふうもん）も見えなくなったり、雪庇（せっぴ）を踏み抜いたり、クレバス（crevasse）や谷へ転落するなどの危険性が非常に高くなります。
・航空機の場合には、墜落の原因ともなり得えます。
※雪庇（せっぴ）：雪のかぶった山の尾根、山頂などに、風が一方方向に吹き、風下方向にできる雪の塊のこと。
雪庇（せっぴ）を放置すると、自重に負けて崩落するまで際限なく大きくなり、登山者が尾根を歩く際、雪庇の真上にいることに気づかず踏み抜いてしまうなど、真上からの観察では地面と雪庇の区別は不可能で、滑落の原因となることが多い。
※風紋（ふうもん）：風によって地表に形成される砂紋のこと。
※クレパス： 氷河や雪渓などに形成された深い割れ目のことを指します。
クレバスの壁面は、垂直に近く、その幅は数センチメートルから数メートル程度と様々で、底部までの距離は主に10メートル前後で、時に数十メートルにも達することもあります。
クレバスの地表面が雪に覆い隠されていることもあり、この場合はクレバスの発見が非常に困難になります。このように隠れたクレバスは、特にヒドゥンクレバス（hidden crevasse）と呼ばれています。
ホワイトアウト現象が起こりやすい3つの状況
『ホワイトアウト現象』は、様々な状況で起こりますが、主に次の3つの状況で発生しています。
◎極地や冬の雪山などで、吹雪や地吹雪によって雪が舞い上がって起こるもの。
◎風が弱い状態で非常に大量の雪が降っているとき、降っている雪自体が視界を遮り、太陽光のさす角度によって全方向の雪が白色を反射して起こるもの。
◎雪が全く降っておらず、近くの視界は明瞭な状態で、雪表面や雲の乱反射などが原因で視界が極端に悪くなっておこるもの。
※雪が積もっても降ってもいない場合でも、霧で視界が極端に悪くなった状態に、「ホワイトアウト」という表現を用いることもあります。
ホワイトアウト現象への対処は？
なんだかよくわからないでしょう？これがホワイトアウトってやつなんですよ。以上現場からの報告でしたスタジオにお返しします（っ'-')╮ =͟͟͞͞❄️ﾌﾞｫﾝ pic.twitter.com/cp01sZrrg0
— 係長 (@redfox100000) January 17, 2019
「地表に積もった雪が強風で巻き上げられて地吹雪が発生すると、視界が極端に悪化します。これがホワイトアウトで、数10センチ先も確認できなくなり、前後左右だけでなく上下感覚さえも失います」（JAFホームページより）
このような『ホワイトアウト現象』が起こるような悪天候の場合、突然の豪雪に見舞われ身動きが取れなくなり、車内に閉じこめられる恐れがあります。
気象情報で暴風雪が予想されるときは、クルマでの外出はできるだけ避けるのが賢明ですが、既に外出していて『ホワイトアウト現象』に遭遇してしまった場合はどうする場良いのでしょうか？
『ホワイトアウト現象』に遭遇してしまった時の対処：
①商店やコンビニ、人家になど建物の中の安全な場所に移動して、『ホワイトアウト現象』 が収まるの回復を待つ。歩行しているときは、風で飛ばされてくるものに注意する。
②豪雪で身動きが取れなくなった場合
◎できるだけクルマが目立つ状態にし、ハザードランプ点灯させて、可能であれば、左側の路側帯に、視界回復まで停車し、（後続車と接触事故を防ぐため）『ホワイトアウト現象』 が収まるの回復を待つ。
◎エンジンを切る
◎必要に応じて、道路緊急ダイヤル（#9910）、JAF救援（#8139）、あるいは警察、消防に連絡する
◎救援を待つ間に、排気ガスの逃げ道だけでも除雪を行う（マフラーの排気口が雪でふさがれると一酸化炭素中毒の危険が伴う。）
【車が雪で埋まった場合、CO中毒に注意！】（JAF）
動画詳細
寒冷地でエンジンをかけた車内で注意したいのが一酸化炭素（ＣＯ）中毒。雪に埋もれた車内に排ガスが入る状況を再現し、対策の有効性を検証しました。
ホワイトアウト現象のツイッター画像・動画
『ホワイトアウト現象』を実際に体験した方のの画像や動画、意見などをツイッターから集めてみました。
旭川…
昨日からホワイトアウト状態
長女、東京から出張で羽田遅延で飛んだ…けど降りれるかな？ pic.twitter.com/zgA3Rl16n3— ふにゃ好き@傳さん (@a7lBMlj94VTxSez) January 17, 2019
ホワイトアウト まじで頭おかしなる pic.twitter.com/SYyswR2FTv
— みん (@minbuta26) January 17, 2019
ホワイトアウト
ニュースでも不用な外出はしないでと言ってるのに、職場はもう終わりなのに定刻まで帰らせない
社員をなんだと思ってんだか。
私が社長なら帰宅を早めるわ。
命懸けで帰らんとならん… pic.twitter.com/nJApiUbD8E— yuumi (@jigenbon) January 17, 2019
ホワイトアウト気をつけてー！
無理せず待機する勇気も必要です！
— HIRO (@89Geigers) January 17, 2019
久々のやばいホワイトアウト。進路がまったく見えないので前の車を見失ったら死ぬこの恐怖感、、やだねえ
— もずまん (@mozuman19) January 17, 2019
国道12号線、奈井江〜美唄間で久々のスーパーホワイトアウト食らった。ハザードあげながら20kmで走行しても何も前が見えず、まっすぐ走ってるのか曲がってるのかわからないくらいの地吹雪。
生きてて良かった⸜( ॑꒳ ॑ )⸝✨— 長谷川拡介 (@kakusuke) January 17, 2019
ホワイトアウト現象 まとめ
『ホワイトアウト現象』とは、豪雪などにより目の前が真っ白になり、方向感覚が失われてしまう現象のことを指します。
『ホワイトアウト現象』に遭遇してしまった場合の対処：
■建物の中の安全な場所に移動し、『ホワイトアウト現象』 が収まるの回復を待つ。
あるいは、
■豪雪で身動きが取れなくなった場合
・ハザードランプ点灯させて、視界回復まで停車
・エンジンを切る
・救援を待つ間に、排気ガスの逃げ道だけでも除雪を行う
（マフラーの排気口が雪でふさがれると一酸化炭素中毒の危険が伴う。）
『ホワイトアウト現象』のもとでは、車が直進しているかすら分からなくなり、パニックになってしまいがちですが、冷静に判断し、冷静に行動したいものです。
