グレタ・トゥーンベリさんという高校生で『気候変動』に対する活動をしている少女が、アメリカで開かれた『国連気候変動サミット』で、 1人で、大勢の政治家たちを前に、演説して以来、話題になっていますね。
グレタ・トゥーンベリさん とは、どんな方なのでしょう?『気候変動』 活動を始めることとのなったキッカケや、活動の経過、アメリでの国連演説の内容などについてもまとめてみました。
グレタ・トゥーンベリのプロフィール
氏 名: グレタ・トゥーンベリ(Greta Thunberg)
生誕名: グレータ・ティンティン・エレオノーラ・エルンマン・トゥーンベリ
( Greta Tintin Eleonora Ernman Thunberg)
生年月日: 2003年1月3日(16歳)
スウェーデン ストックホルム
職 業: 学生、環境活動家
グレタ・トゥーンベリの活動の始まりは?
2011年、8歳の時に、グレタ・トゥーンベリさんは、気候変動について初めて知りました。
グレタ・トゥーンベリさんは、 この時位、なぜ気候変動への対策がほとんど行われていないのか理解できなかったそうです。
その後、 グレタ・トゥーンベリさんは、 二酸化炭素排出量を削減するため、 肉を食べないようにしたり、両親に飛行機旅行を断念させるなど、いくつかのライフスタイルを変えるように両親を説得したところ、
グレタ・トゥーンベリさんの両親は、グレタ・トゥーンベリさんの考えを受け入れ、ライフスタイルに変化をもたらしました。
グレタ・トゥーンベリさんは、
「両親の最終的な反応とライフスタイルの変化が、彼女が人々に変化をもたらすことができるという希望と信念を与えたと信じている」
と語っています。
2018年5月 スウェーデンの新聞『Svenska Dagbladet』が開催した『気候変動エッセイ大会』で優勝
グレタ・トゥーンベリさんは、この時のエッセイの一説に
「私は安心したい。私たちが人類史上最大の危機にあることを知っているのに、どうして安心できますか?」
と書いています。
グレタ・トゥーンベリの活動経過は?
グレタ・トゥーンベリさんは、スウェーデンで、262年ぶりに起こった最高の猛暑となった夏と山火事の後に、『気候変動の為の活動』の抗議としてストライキを始めることとなりました。
2018年8月20日、9年生として、新学期が始まったグレタ・トゥーンベリさんは、2018年9月9日までの3週間、毎日『スウェーデン総選挙』まで学校の授業に出席しないと決意し、
ストックホルムのスウェーデン議会の前で、『Skolstrejk för klimatet(気候のための学校のストライキ )』と書かれたプラカートと共に、たった一人で、ストライキを開始しました。
グレタ・トゥーンベリさんの要求:
“ スウェーデン政府がパリ協定に従って二酸化炭素排出量を削減すること ”
グレタ・トゥーンベリさんは、他の若者を巻き込んで、抗議のストライキをしようとしたのですが、「誰も全然興味を持たなかった」ので、自分1人でストライキを進めることにしたそうです。
グレタ・トゥーンベリさんは、この時、
「あなた方大人が、私の未来を台無しにしようとしているので、私はこれをしている」
と書かれたリーフレットを配りました。
『スウェーデン総選挙』後、グレタ・トゥーンベリさんは、金曜日にのみストライキを続けていると、
他の学生や他の地域でも、『未来のための金曜日(Friday for Future)』という名のもとに、『気候変動の為の学校ストライキ(School Climate Strike)運動』を組織され、 同様にストライキが行われるようになりました。
2018年9月11日 ストックホルムにて
「気象危機は危機ととして扱わなければならない!気候問題は選挙の最大の争点である!」と書かれたグレタ・トゥーンベリの自転車
2018年11月 Fryshusetからの『その年の若者の見本』として奨学金を受賞
※Fryshusetは、若者たちが、彼らの創造性、スキル、およびモチベーションを見つけ、開発する機会を提供することにより、若者の生活状態の改善に取り組むスウェーデンの非営利青年組織
2018年12月 タイム誌の2018年『世界で影響力のある未成年25人の1人』に選出される
2018年12月14日 ベルリンにて
「グレタに続け!気候のためのストライキ!」と書かれたプラカード
2019年3月1日、ハンブルクにて
グレタ・トゥーンベリーさんとドイツの環境活動家ルイサ・ノイバウアーさん
2019年3月31日、ドイツのゴールデン・カメラ・アワードの 『Special Climate Protection』賞を受賞。
2019年5月(16歳) 気候変動への抗議スピーチ集 『 変化をもたらすために未熟すぎるなんてことはない(No One Is Too Small to Make a Difference)』を出版( 収益を慈善団体に寄付)
2019年8月 『国連気候変動サミット』(アメリカ、ニューヨーク)に出席
このサミットに出席するために、グレタ・トゥーンベリさんは、英国のプリマスから米国のニューヨークまで、ソーラーパネルと水中タービンを備えた60フィートのレーシングヨットで航海して大西洋を渡りました。
大西洋横断航海は、2019年8月14日から28日まで15日間続きました。
ただ、この際、数人の乗組員が、ヨットをヨーロッパに戻すためにニューヨークに飛行機で飛び、ヨットの共同船長は飛行機でヨーロッパに戻っています。
2019年9月25日 『気候変動活動』によって、スイスのノーベル賞にあたる『ライト・ライブリフッド賞(the Right Livelihood Award)』受賞
2019年12月 『第25回気候変動枠組条約締約国会議(COP25)』(スペイン)に出席
グレタ・トゥーンベリ国連演説全文動画 英語&日本語訳
2019年8月、『国連気候変動サミット』(アメリカ、ニューヨーク)でのグレタ・トゥーンベリ さんの演説が以下になります。
私からのメッセージです。
『私たちは、あなたたちを注意深くみている』
こんなことは完全に間違っている。私はここにいるべきではない。本来なら私は海の向こう側で、学校にいるべきなのです。
それなのに、あなたたちは私たち若者のもとに希望を求めやってくる。
よく、そんなことができますね。
あなたたちは空虚な言葉で、私の夢と、私の子ども時代を奪ったのです。
それでも、私は幸運な者の1人です。
人々は苦しんで死にかけています。生態系全体が崩壊しかけています。
私たちは、まさに絶滅に差し掛かっているのに、 あなたたちが話すのは、お金のことと、永遠の経済成長というおとぎ話だけ。
よく、そんなことができますね。
30年以上前から、科学がもたらす答えはとても明確でした。
目を背け続け、ここに来て「君は十分やっている」とよく言えますね。必要とされる政策や解決策も、まだ見つかっていないのに。
あなたたちは、私たちの言葉を聞き、緊急度を理解したと言います。
でも、それだけ悲しみと怒りを感じても、それを信じたくはないのです。
なぜならば、もし本当に状況を理解していながら、それでも座視し続けているなら、あなたたちは、悪だからです。
だから、私は、あなたたちのことを信じることを拒否します。
今後10年間で、(温室効果ガスの)放出量を半減させるという考え方がありますが、(気温上昇を)1.5度に抑えられる可能性は、50%しかありません。
人類が制御できない、決して後戻りのできない連鎖反応を引き起こすリスクがあります。
50%という数字で、おそらく、あなたたちは満足かもしれません。
でも、この数字は、あなたたちが空気中に出した何千億トンもの二酸化炭素を、私たちの世代が、今の時点でほぼ存在していない技術で吸収することを当てにしています。
だから50%のリスクは、私たちにとって単に受け入れられないというではなく、私たちは、その結果と共に生きていかなければなりません。
地球の気温上昇を、1.5度に抑える確率を67%にするには、気候変動の政府間パネル(IPCC)の最善の見立てでは、世界のCO2排出許容量は、4,200億トンだった2018年1月1日の時点でです。
現在では、3,500億トンを下回りました。
よくも従来通りの取り組みと技術的な解決策で、何とかなるなんて装うことができたものですね。
今のレベルでは、残されたCO2排出許容量に、8年半もたたずに達してしまいます。
現在、これらの数字に沿って作られた解決策や計画は全くありません。
なぜなら、この値はあなたたちにとって不都合すぎるからです。あなたたちが未熟なゆえ、現状をありのままには伝えられないのです。
あなたたちは、私たちを失望させています。
しかし、若者たちは、あなたたちの裏切り行為に気づき始めています。
未来の世代の目は、あなたたちに注がれています。
それでも、あなたたちが、私たちを失望させる選択をすれば、
私たちは、決して許さない。
あなたたちを逃がしません。
まさに今、この場所で、私たちは、一線を引きます。
世界は目覚めようとしています。
あなたたちが好んでも好まなくても、変化が訪れようとしています。
ありがとうございました。
グレタ・トゥーンベリのアスペルガー症候群とは?
グレタ・トゥーンベリさんは、2011年、8歳の時に、気候変動について初めて知りました。
グレタ・トゥーンベリさんは、なぜ気候変動への対策がほとんど行われていないのかが理解できず、落ち込んで無気力になったそうです。
そして、その後、グレタ・トゥーンベリさんは、アスペルガー症候群 、強迫性障害 (OCD) および選択的無言症であると診断されました。
グレタ・トゥーンベリさんは、医者による診断でしるされたそれらの症状を
「以前は私を制限していた」ことを認める一方で、
アスペルガーを病気とは見なさず、代わりに「スーパーパワー」と呼んでいます。
グレタ・トゥーンベリのアスペルガー症候群とは?
アスペルガー症候群(アスペルガーしょうこうぐん、Asperger Syndrome)、アスペルガー障害(Asperger disorder)とは、
コミュニケーションや興味について特異性が認められるものの言語発達は良好な、先天的なヒトの発達における障害です。
本診名はなく自閉症スペクトラム障害の中に位置づけられる。
・特定の分野への強いこだわりを示し、運動機能の軽度な障害が見られることもある。
・自閉症スペクトラム障害のうち、知的障害および言語障害をともなわないグループを言う。
・発生原因は不明。
・特異性や特徴に該当する部分が多いことに気づいて不安感を持った本人が、医療機関に相談したときに診断されたことを本人自身が受け入れた事例のみ。
参考:https://ja.wikipedia.org/wiki/アスペルガー症候群
グレタ・トゥーンベリは21世紀のジャンヌ・ダルク?
まだ高校生の少女・グレタ・トゥーンベリさんが、壊滅的ともいえる『気候変動』の状況に、自分自身と未来の世代のために、大人たちに勇敢に挑んでいる様子は、
15世紀のフランス王国で、フランス国王とフランスの為に、軍人としてフランス軍を率いて、フランスを勝利に導いたジャンヌ・ダルクと重なりませんか?
ジャンヌ・ダルクとは?
ジャンヌ・ダルクは、1412年ごろ、現在のフランス東部のフランス王家への素朴な忠誠心を持った村に、農夫の娘として生まれました。
ジャンヌ・ダルク の両親は、20ヘクタールほどの土地を所有しており、父ジャックは農業を営むとともに、租税徴収係と村の自警団団長も兼ねていました。
1424年ごろ、12歳の時、ジャンヌ・ダルクは、フランス王太子シャルル(後のシャルル7世)を助けて、イングランドに占領されていたフランス領を奪還せよという神の「声」を聞きます。
ジャンヌ・ダルクのことを信じた王太子は、イングランド軍に包囲されて陥落寸前だったオルレアンへ、ジャンヌ・ダルクを派遣し、オルレアン解放の任にあたらせました。
そして、ジャンヌ・ダルクは、フランス軍に従軍し、イングランドとの百年戦争で重要な戦いに参戦して勝利を収め、のちのフランス王シャルル7世の戴冠に貢献しました。
その後、ジャンヌはブルゴーニュ公国軍の捕虜となり、身代金と引き換えにイングランドへ引き渡され、
「不服従と異端」の疑いで異端審問にかけられ、最終的に異端の判決を受けたジャンヌは、19歳で火刑に処せられてその生涯を終えることとなりました。
度重なる屈辱的な敗戦でフランスの軍事力も国力も瓦解し、その指導力は失墜しきっていた。王太子シャルルがジャンヌの突拍子もない軍備の要求を認め、さらには軍の指揮官の一人に据えた背景には、それまで試みてきたありとあらゆる正攻法が失敗に終わったことに大きな原因があろう。
崩壊寸前の絶望的な状況に置かれた政権のみが、母国の軍を率いて勝利せよという神の声を聴いたなどという無学な農夫の娘の訴えに耳を傾けるのだ。
— Stephen W. Richey、”Joan of Arc: A Military Appreciation”
参考:https://ja.wikipedia.org/wiki/ジャンヌ・ダルク
また、フランス王族がジャンヌに示した多大なる厚遇について、歴史家スティーヴン・リッチーは
「崩壊寸前のフランス王国にとって、ジャンヌが唯一の希望に思えたからだろう」
としています。
ジャンヌ・ダルクは、フランスの国民的ヒロインで、カトリック教会における聖人でもあり、「オルレアンの乙女」とも呼ばれています。
フランスを救い、シャルル7世の戴冠に貢献したことから、ジャンヌ・ダルクは、西洋史上でも有名な人物の一人であり、また、多くの政治家たちの崇敬を集めています。
崩壊寸前の地球を前に、 『気候変動』に対して、 プラカートを掲げ、大の大人たちに、正しい行動をとるように率いているのは、まだ高校生で16歳の少女・
グレタ・トゥーンベリさんということでしょうか?
グレタトゥーンベリはジャンヌダルク?国連演説全文は?まとめ
グレタ・トゥーンベリさん とは?『気候変動』 活動を始めることとのなったキッカケや、活動の経過、アメリでの国連演説の内容などについてもまとめてみました。
グレタ・トゥーンベリさん ですが、 『気候変動』 という特定の分野への強いこだわりを示してしまうのは、アスペルガー症候群の影響もありそうですが、その信念と行動力には、脱帽です。
グレタ・トゥーンベリさん が、1人で始めた 『気候変動』 のためのストライキが、今では、世界中に広がりを見せています。
まだ高校生で16歳の少女・ グレタ・トゥーンベリさん は、崩壊寸前の地球を前に、 『気候変動』に対して、 プラカートを掲げ、大の大人たちに、正しい行動をとるように率いていくジャンヌダルクのようですね。